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インボイスとは?必要な理由と、5種類のインボイスについて
2020/07/26
コラム
海外へ商品などを輸出する際に、輸出する側は「インボイス」という書類を作成しなければなりません。
この「インボイス」とはどのようなもので、なぜ必要なのでしょうか?
今回は、この「インボイス」に関してのお話です。
海外でビジネスをする人なら知っておきたい「インボイス」の知識をご紹介します。
インボイス【invoice】とは
送り状。特に貿易において、荷送人が発送貨物の品名・数量・価格・代金の支払い方法、その他売買・船積み・保険に関する事項などを記して、荷受人に送付する明細書。貨物通関手続に必要になる。輸出送り状。(大辞林より引用)
辞書ではこのように書かれているインボイスですが、もっと簡単に言ってしまうと海外に物を輸出する際に必要な「商業用の送り状」のことです。
皆さんも宅配便を送る際に送り状を荷物に貼った経験があると思います。
一般的な宅配便の送り状だと、受取人の名前や住所、差出人の名前、荷物の大きさ・種類などを記入して荷物に貼り付けますよね。
インボイスは、輸出する荷物に関する情報や貿易の条件などを細かく記入した書類形式の送り状で、検査や税関への申告などの際に必要になります。
日本郵便のWebサイトでも以下のように説明されています。
出典:日本郵便 「必要書類について インボイスとは何ですか?」
インボイスとは、物品を送るときに税関への申告、検査などで必要となる書類です。
また、相手国での輸入通関をする際に必要となりますので正確に記載してください。国によって必要となる書類の種類や数が異なる場合がありますので、ご確認ください。
▶︎詳しくはこちら
輸出する際に必要なインボイスには、差出人・受取人情報の他にも荷物に関する事細かな情報を記入する必要があります。
インボイスは輸出する側がそれぞれ独自で作成するものなので、これといった様式はありませんが、基本的には次のような情報の記載が必要になります。
こんなに記入項目があるの!?と驚く方もいると思いますが、実はインボイスには「送り状」としてだけではなく、他にも大切な役割があります。
輸出の際にインボイスが必要なのは、送り状としてだけではなく次のような役割も持っているからです。
■インボイスの役割は「納品書」「請求書」「明細書」
通信販売などを利用した際に、購入した商品と一緒に「納品書」「請求書」「明細書」などが届きますよね。
インボイスはこれの輸出入バージョンと考えるとわかりやすいと思います。
インボイスには商品を輸出する際の送り状としての役割だけではなく、「納品書」「請求書」「明細書」の役割も持っています。
貿易においては、契約通りに商品を納品しているか、請求金額に間違いはないかなどを明確にすることが重要ですので、インボイスにこれらの情報をしっかりと正確に記載する必要があります。
■インボイスは税関でも必要になる
ものを輸出する際には、税関に商品を輸出する許可を申請する必要があります。
これを「通関」といいます。通関は輸出するときだけでなく輸入する際も必要となります。
税関の許可を受けるためには「どのようなものを貿易しているのか」「取引されている商品はどのようなものか」を具体的に伝え、不正な輸出入でないことや関税をきちんと払っていることなどを明示しなければいけません。
そこで、この情報を確認しやすくした書類がインボイスです。
商品に関する様々な情報がまとめられたインボイスを通関の際に提出することで、税関もチェックがスムーズになります。
記入項目が多いのは、通関に必要な情報を示すためでもあります。
インボイスには送り状、納品書、請求書、明細書などの役割があるとお話しましたが、インボイスの種類は1種類ではありません。
使う目的やタイミングに合わせた次のような5種類のインボイスがあります。
1.プロフォーマ インボイス(Proforma Invoice)
見積書の役割を持ったインボイスで、商品の売買成立前に商品の買主に提供します。
あくまでも「見積書」なので、基本的には正式なインボイスとして使用されることはありません。
次に紹介する「コマーシャルインボイス」の発行に時間がかかる場合、取り急ぎのインボイスとして作成されることもあります。
2.コマーシャル インボイス(Commercial Invoice)
請求書、明細書、輸出入申告の役割を持ったインボイスで、輸出入通関時に使用されます。
輸出入時にもっとも多く使われるため、一般的に「インボイス」といえばコマーシャルインボイスを指すことが多いです。
コマーシャルインボイスがあれば、輸出入する際に支障はないといわれるほど万能なインボイスですが、記載事項に間違いなどがある場合は修正申告や更正申告が必要になります。
また、正式なインボイスとして使用されるので、必要事項をしっかりと正確に記載しなければなりません。
3.シッピング インボイス(Shipping Invoice)
納品書の役割を持ったインボイスで、出荷案内や、配送手配時に使用されます。
出荷案内と積荷費用の請求をする際の代金請求書としても使われますが、重要度が低く使用頻度も少ないので、単なる納品書として扱われるケースが多いです。
4.カスタムズ インボイス(Customs Invoice)
税関向けに作成するインボイスで、輸入通関時に使用されます。
輸入する商品に対して適正な課税価格を決定するために必要な書類ですが、基本的にコマーシャルインボイスで構いません。
しかし、特定の国が輸入時に必要とするのがこのカスタムズインボイスで、輸入する国側からリクエストを受けて作成します。
輸入する際にカスタムズインボイスを必要とするのは以下のような国です。
これらの国では専用のインボイスのフォーマットが用意されているので、そのフォーマットを用いたインボイスの作成が必要になります。
5.コンシュラー インボイス(Consular Invoice)
脱税の防止や貿易統計資料作成に使用されるインボイスで、輸入通関時に使用されます。
「Consular = 領事」なので日本では「領事送り状」といわれ、輸入国の税関ではなく領事に提出する書類になります。
こちらもカスタムズインボイスと同様に、輸入する国側からリクエストを受けて作成します。
まとめ
「インボイス」の意味や役割など基本的なお話をしましたが、なんとなくどのようなものか掴むことはできましたか?
今回のお話のポイントは次の3つです。
色々とややこしそうなインボイスですが、基本的にはプロフォーマインボイスとコマーシャルインボイスさえ作成できるようになれば問題ありません。
ただし、中にはカスタムズインボイスなどのように、国によって専用のフォーマットが用意されてることもあるので、商品を輸出入する際には事前に必要な書類を確認しておくと安心ですね。
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